My Little Baby【短編】
「‥かなわねーなぁ」
「‥‥え?」
ふいに瞼を伏せ、長い沈黙を破った祐介の小さい呟きの言葉の意味がわからずに声が零れる。
「ずっと、知ってたよ。みちるに好きな人がいることくらい。――それが、その幼なじみのやつだってことも」
「‥‥え、え、ええっ?」
なんでなんでなんでなんでっ?
驚きが隠せずに、素っ頓狂な声が響き渡る。
「なんつー声上げてんだよ」
「だ、だってっ」
だって、私昨日気づいてたばっかりなのに!?
「おまえ、いつもそいつの話ばっかりしてたよ。昨日はそいつと一緒にどこ行ったとか、何したとか、今日はこれしたら笑ってくれた――とか、毎日毎日飽きずにそればっか。みちる、自覚なかったろ?」
目を見開いたまま、私はこくこくと首を縦に振った。
「だから、みちるがこのまま気づかなければいいって思ってた。気づいてないうちに、俺のものにしてしまえば、みちるはずっと俺のもんだ――って。卑怯だよな」
苦笑しながら話す祐介に胸が締め付けられる。
言葉の一つ一つから彼の想いが伝わってくるようで。
私は、知らないうちに遼ちゃんばっかり見てた。
そして、そんなふうに私が遼ちゃんを見るように、祐介はいつも私のことを見ていてくれたのだろう。
こみ上げる切なさで一杯になる。それでも、私は祐介に答えるわけにはいかない。
だって、私が好きなのは――
「‥‥え?」
ふいに瞼を伏せ、長い沈黙を破った祐介の小さい呟きの言葉の意味がわからずに声が零れる。
「ずっと、知ってたよ。みちるに好きな人がいることくらい。――それが、その幼なじみのやつだってことも」
「‥‥え、え、ええっ?」
なんでなんでなんでなんでっ?
驚きが隠せずに、素っ頓狂な声が響き渡る。
「なんつー声上げてんだよ」
「だ、だってっ」
だって、私昨日気づいてたばっかりなのに!?
「おまえ、いつもそいつの話ばっかりしてたよ。昨日はそいつと一緒にどこ行ったとか、何したとか、今日はこれしたら笑ってくれた――とか、毎日毎日飽きずにそればっか。みちる、自覚なかったろ?」
目を見開いたまま、私はこくこくと首を縦に振った。
「だから、みちるがこのまま気づかなければいいって思ってた。気づいてないうちに、俺のものにしてしまえば、みちるはずっと俺のもんだ――って。卑怯だよな」
苦笑しながら話す祐介に胸が締め付けられる。
言葉の一つ一つから彼の想いが伝わってくるようで。
私は、知らないうちに遼ちゃんばっかり見てた。
そして、そんなふうに私が遼ちゃんを見るように、祐介はいつも私のことを見ていてくれたのだろう。
こみ上げる切なさで一杯になる。それでも、私は祐介に答えるわけにはいかない。
だって、私が好きなのは――