王子様は囚われ王女に恋をする
「自分が王になり、君を王妃にでもするつもりだったんだろう」

「王妃って、まさか…」

「実際に、伯爵は君を妻にしたいと申し出たことがあるとお父上から聞いた。お父上は断ったらしいが」

「叔父様が私を?」

カイルはアリシアを気遣うようにのぞきこむ。

「大丈夫か?」

真っ青な顔をしたアリシアの体が小刻みに震えていた。

カイルはその体をそっと抱き締める。

「大丈夫。僕が君を守るから」

アリシアはその温もりに寄り添い目を閉じた。
< 87 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop