普通の人間でした。





「こんなとこにいやがったか…」

「…?」

「チッ…来い」

男は私の手を掴もうとした。

が、私は引っ込める。
いや、だってさっき檻を溶かしてたし。


『大丈夫だ。溶かさねえ』

そう言い、私の手を引っ張り、檻から出た。


今はな、と言う呟きは私には聞こえなかった。




< 18 / 28 >

この作品をシェア

pagetop