主婦だって恋をする

「素敵な部屋ね……」


「宇津木の奴、随分といい旅館
予約したな……」


「宇津木さん?」


「あいつが幹事なんだ。今日も朝からなんだかんだ動き回ってる」


「……そっか、だから祥子と一緒じゃないのね」



そこで会話が途切れて、川の水音だけが大きく部屋に響いた。


話すことはたくさんあるような気がしたけど、いざ口を開こうとしても何を言おうとしたのか解らなくなって、言葉が出なかった。



「……さっき寝たから眠くないな、俺」



布団の方に目をやり、頭をかく夫。



「眠れなくても横になってた方がいいわ」


「成美はどうするの?暇になっちゃうよ」


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