主婦だって恋をする

宴会の後は、祥子と露天風呂で汗を流した。


美肌に効果のあるという乳白色の温泉に浸かると、身も心もほっこりと温まり幸せな気分になれた。


部屋の前で彼女と別れてドアを開けると、浴衣姿の夫が先に戻っていた。


仲居さんが敷き直してくれた二人分の布団の上で、胡座をかいてテレビを見ている。



「どうだった?男湯」



肩に掛けたタオルで髪を拭きながら、私は訊いた。



「うん、まあ……よかったよ。なかなか」



歯切れの悪い返事に首を傾げていると、壁に寄せてあるテーブルの上に乗ったビンゴの景品が目に入った。



「あれ、開けてみた?」


「……成美は見ない方がいい」


「何でよ、そう言われると余計気になる……」



私が箱に手を伸ばすと、夫はこちらに背を向けてしまった。


< 147 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop