ほんの少しの勇気があれば


中学3年のバレンタインデー



私の鞄の中には、渡せるか分からない、大沢くんへのバレンタインチョコが入っている。



理沙のあの言葉に、少し勇気を出そうって思って買ったチョコ




大沢くんに渡せないまま時間が過ぎ、放課後を迎えた。


いつもなら、友達と談笑しながらゆっくりと帰る準備をしている大沢くんだけど、今日は、気が付けば彼の姿はもうなかった。




仕方ないよね。

なんて自分に言い聞かせながらも、少しほっとしている自分もいる。


渡さなくてよかったって。


もし、受け取ってもらえなかったら

もし、ごめんって言われたら



今まで通りに話せないから



今のこの関係でいいから。


ふられるのがこわくて、そうやって逃げている自分がいるんだ。



勇気のない私

臆病な私



そんなんじゃ、誰よりも大沢くんが好きだ。なんて言えないよね。
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