真紅の世界




魔法の授業を終えて、自分の部屋のベッドに倒れこむようにして寝ころぶ。




身体の疲労も、精神的な疲労も、半端ない。



和食が食べたい。

なんでもない学校生活を送りたい。

命の危険のない剣道がしたい。

チビたちに会いたい。

ウメさんに会いたい。



ホームシックのような症状がどんどん強くなっている。



それでも私が戻れる可能性はゼロに限りなく近いと、どこかでちゃんと分かっているからこの状況から抜け出せない。



レティは好きだけど、この生活は嫌。

シンクは好きだけど、いつもいてくれるわけじゃない。

クリフは希望をくれたけれど、すべてを教えてくれなかった。




自然と零れ落ちていた涙は、頬を伝ってシーツへと吸い込まれていく。




泣いたってこの状況が変わるわけじゃないと分かっていても、こうやって涙を出さないと自分を保っていられない。


頑張るとシンクに誓った言葉を、守れなくなる。



< 69 / 122 >

この作品をシェア

pagetop