真紅の世界


「あの時すごい魔法を使えたんだから、煙が出るとか少しでも光が生まれてもいいと思うのに、どうして魔法を使えない人のような反応しかないのかしら」

「火事場の馬鹿力ってやつなんだと思うけど」


思わず口をついて出た言い訳に、レティは「それってどういうこと?」と聞いてくる。


「うーんと、私の世界でのことばで、危険にさらされたり窮地に陥った時に自分の想像もしないような力を出すことが出来るって意味なの」

「でもでも、なんでその力を普段使うことが出来ないの?」


子供ならではの当然の追及に、頭を抱える。


そんなこと言われたって、私だって知りたい。

本当に魔法が私に使えるというんだったら、ウルから与えられる物質的攻撃に魔法で対応して、何もできないくらいの防御をしたい。


でもいくらやろうと思っても、何も起こらないのだ。

何度も死にそうな目に合っているというのに、私の中の魔法は、魔法攻撃への防御しかできない。


ガックリ項垂れる私が落ち込んでいると思ったのか、レティは疑問を最後まで追求することなく「頑張ればできるようになるわ! 落ち込まないで」と励ましてくれた。

レティのその優しさと、こんな小さい子に気を遣わせてしまったことに更に情けなくなってしまったのは内緒の話だ。


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