惑溺
最悪!!
よりによって、あの手帳を忘れるなんて!
聡史との電話を切ってから、私はベッドの上で頭を抱えた。
あーもう、どうしよう……。
あの手帳の中身を誰かに見られたらかなり恥ずかしいんだけど。
いくら酔っぱらってたとはいえ、あんなに色々書き込んでる手帳をカウンターの上に忘れるなんて。
私は手帳になんでも書くのが癖だった。
最初は会社での仕事を忘れないように手帳にメモするようにしていたのがきっかけだったのに。
いつのまにかプライベートな事も事細かく書き込むのが癖になっていて、あの手帳もう私の日記同然の物で。
そんなのを誰かに読まれるかもしれない。そう思うだけで自己嫌悪で泣きたくなる。
「はぁ……」
とりあえずベッドの上で落ち込んでたってしょうがない。
昨日のあのお店に連絡してみなきゃ。
私はため息をつきながら携帯を開いて、昨日一緒に飲んでいた博美に電話をかけた。