惑溺
 
『はいはい!もしもし、由佳ー?』

数回の呼び出し音の後、すぐにハキハキとした博美の声が聞こえた。

元気だなぁ博美は。
飲みすぎた私の頭に直接響くその元気な声に、思わず苦笑い。

「うん。博美今話しても大丈夫?」

『大丈夫だよ。由佳二日酔いにならなかった?
アタシあんなに酔っ払った由佳見たのはじめてかも』

笑いながら言う博美に、さらに自己嫌悪が重く圧し掛かる。

「うん。軽く二日酔い。
ごめんね昨日私そんなに酔っぱらってた?」

いつも飲まないから飲み会の場では専ら酔っ払いの介抱役だったのに。
自分が酔っぱらって迷惑をかける側になるなんて、アルコールのせいで記憶が曖昧な分、余計に恥ずかしい。

『大丈夫、大丈夫。
一人でフワフワして楽しそうに笑ってて、見てて面白かったよ』

博美は面白がってるけど、ひとりで笑ってるなん完璧て変な人じゃない。

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