惑溺
私と聡史。
同じ様に恋愛に冷めた二人が結婚するなら、案外うまくいくのかもしれない。
なんて、自嘲するように自分の事を笑う。
そう思いつつ、結婚に躊躇ってしまうのは、心の何処かで『もしかしたら』と思わずにいられないから。
もし、自分を見失うような恋が、感情に溺れてすべてを見失うような恋が、
ドラマや小説の中だけのものじゃないなら。
私も、一度でいいから全てを忘れてのめり込む様な恋愛をしてみたい。
そんな、恋に憧れる女の子のような事を考えてしまう自分が
バカバカしくて笑った。