惑溺
「一緒に暮らしてた彼女と、喧嘩でもしたんですか?」
特に悲しむ様子もなく、無感情に物を捨てるリョウの背中を見ながら不思議に思ってそう聞くと
「一昨日別れた」
返ってきたその素っ気ない言葉に驚いた。
「一昨日って!まだより戻せるんじゃない?
捨てちゃまずいですよ!」
慌てる私を振り返ってリョウは鼻で笑う。
「別により戻したくない。
荷物をそのままにしてたら、また転がりこんで来そうで嫌なんだよ」
「その彼女の事、もう好きじゃないんですか……?」
別れて3日で情も未練もないなんて、いくらなんでも薄情すぎる……。