惑溺
 
「やっぱり高校の教師なんかと付き合ったら、清く正しい交際をするわけ?」

――――――!?
な、なんで私の彼が高校の教師をしてるって知ってるの……!?


「手帳に彼氏の職場まで詳しく書かない方がいいよ」

意地悪に微笑みながらそう言うリョウに、一気に血の気が引いた。

「嘘つき!やっぱり手帳みたんじゃないっ!!」

「誰も手帳を見てないとは言ってないだろ。別に嘘はついてない。
連絡先確認しようとしたら目に入っただけだよ」

リョウはまったく悪いと思っていないのか、涼しい顔で微笑んだ。

酷い!人の手帳の中身を覗くなんて、最低だ。
しかも人をからかって、面白がって!

怒りの余り涙ぐみそうになる私に、リョウは近づいて赤い手帳を差し出した。

「ほら、大事な手帳」
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