ランデヴー II
賢治からは、ネックレスをもらった。


ゴールドの細いチェーンに1粒ダイヤがキラキラと輝いているそれは、今私の胸元で光っている。



度々雑誌に取り上げられる程有名なブランドのネックレスを恋人からもらえるなんて、本当に嬉しかった。


こんな贅沢、初めてのことだ。



大人としての恋愛の楽しみを、賢治は教えてくれる。


2人で過ごすあの濃密な時間、私は確かに倉橋君のことは忘れていた。



「倉橋君のことはもういいの、終わったことだから。それよりも今は、私に普通の幸せをくれる賢治のこと、大事にしたいって思う」


「そ、か……。まぁ、ね……モリケンがゆかりに人並みの幸せを与えてくれるんだったら……うん。いいのかもね。わかった、もう何も言わない。良かったね、ゆかり」


「うん。有り難う」


佐和子はやっと納得したようにうんうんと頷きながら、にっこりと笑ってくれた。


その笑顔に、私もホッと胸を撫で下ろす。


佐和子に祝福してもらえないのは、やっぱり寂しいから。
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