ランデヴー II
「じゃぁ……お祝いしよう! 夕飯食べてってよ、出前取るから」


「なんだ、何か作ってくれるのかと思った」


「まさかぁ。せっかく旦那がいないんだから、楽したいわー」


佐和子の旦那さんは、学生時代の友人と忘年会だとかで帰りが遅くなるそうだ。


まぁだからこそ、佐和子も私を呼んだ訳だが。



私達は少し昔に戻ったように笑い合って、どら焼きの続きをもぐもぐと頬張った。


でも、私も佐和子も少しずつだけど変わっていて。


それはもちろん佐和子は子供を産んで母親になったし、目に見えて変わったと言える。



私だって……きっと、以前よりも大人になったんだ。


だから、もう叶わない恋なんてしない。


今手にしている物を、大切に大切に育てていきたい。


この時の私は、心からそう思っていたのだ。
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