ランデヴー II
「うん……」


鈍く頷き賢治の顔を窺うと、本当に気にしてないような穏やかな笑みを浮かべている。



そうやってぼそぼそと理由を並べ立てていると、自分の本当の気持ちに何となく気付いてしまう。


私は賢治との未来を想像しながらも、結婚ということに夢を描きながらも、現実ではそこまでの覚悟がないのだ。


もしも私が本当に結婚を切望しているのだとしたら、きっと賢治について実家へ行っただろう。


それも、喜んで。



それができないのは、そこに踏み出す勇気がないから。


佐和子や他の既婚者を見て、羨ましいと思うし憧れる。


それなのにどうして頷くことができないのだろう……私は心のどこかで、本当は結婚を望んでいないのだろうか。



賢治が以前みっちーに結婚を考えていると宣言してから、彼がそれについて触れてくることはないが、あんな風に言われて私だって意識しない訳ではない。


もちろんちゃんと考えたいと思っているし、考えなくてはならないことだとも思う。



でももう少しゆっくり進ませてくれたら……それが本音だった。
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