ランデヴー II
「言葉の通りだよ。後ろから見たらゆかりかと思うくらいに、似てんだよ。髪型から服装から何もかも。そのうち口調まで真似そうで怖いんだけど」


「まさか。そこまではさすがに……」


幸いなことに、心当たりはなかった。


ただ、口調は近くで過ごせば移ることは良くある話だ。


私自身それと気付かぬうちに、もしかしたら既に似ている所があるかもしれない。



「へぇ、そうなんだ。どうしたんだろうね? 今まで見た感じは地味な印象だったけど……そこまで似てるなら、明日見に行ってみようかな」


「あんま興味本位なことはやめろよ?」


「わかってるって」


みっちーは何だかルンルン気分で煙草に火を点け、ふぅと煙を吐き出す。


こういうゴタゴタは、彼女の大好物だ。



それにしても……紗英ちゃんは恋でもしたのだろうか。


女性が綺麗になる時。
そう考えて思い当たるのは、それくらいしかない気がする。



去年トイレで会った時に、賢治とのことを話したことを思い出す。


顔を赤くして、「お似合いですね」と言ってくれた。


もしも恋をして私を見て触発されたのだとしたら、それはいいことだと思う。
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