ランデヴー II
「俺はゆかりの心が狭いとは思わねーよ。あれは、誰だって嫌だろ。ゆかりとあんまり関わりがない奴らにはどうでもいい話だろうけど、俺とか菅原は軽く鳥肌立つレベルだしな」


そう……みっちーは宣言通り、翌日紗英ちゃんを見に来た。


一瞬目を見開いて動きが止まったところを見ると、やはり驚いたみたいだった。


後でメールが飛んで来て、「あれはクロだね、絶対ゆかりを参考にしてる。嫌なら言った方がいい」と書かれていた。



「でもね、やめてくれなんて言える? 服装なんて個人の自由だし、それを私がとやかく言えないっていうか……。それに、私みたいな人なんて世の中にはいっぱいいる訳だし、ただ身近で似てるのが嫌だからってやっぱり本人には言えないよね……」


「んー……難しい所だなぁ」


「うん……。何かごめんね、せっかく一緒に過ごせるのにこんな話……」


途方に暮れたように目を伏せて溜息を吐くと、賢治はその力強い腕で私をキュッと抱き寄せて耳元をくすぐるようにして撫でた。


さわさわとなぞる指がくすぐったくて、身じろぎする。



「俺には気にしないで言いたいこと言えよ。ゆかりが困ってんのわかるし、俺も正直気分良くないからなぁ」


「え、そうなの?」


「ん、まぁ……。遠目から見たら間違えそうになるし、最近話し方まで似てきた気がして」


「……そう思う?」


それは私も薄々感じていたことで、話していると時々妙に違和感を感じることがある。
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