ランデヴー II
「あぁ……この前の忘年会の時が初めてじゃないかなぁ。席、隣だったよ」


大地さんに何気ない顔でそう言われ、私は「あ……!」と思い出す。



そう言えば私の隣はしばらく空席だったが、更にその向こうには紗英ちゃんが座っていた。


あの後倉橋君が来て座ったから、紗英ちゃんとは隣同士ということになる。


私はあれからあのテーブルには戻らなかったし見向きもしなかったから、全く気が付かなかった。



「そう言えば今村さんにしては珍しく、楽しそうに話してた気がするなぁ。まぁ倉橋はいい男だもんな」


大地さんは苦笑いしながらそう言った。


紗英ちゃんに再び目を向けると、本当に楽しげに見える。


倉橋君はそれに愛想良く応えていた。



私は2人からそっと視線を外すと、大地さんと仕事の話をしながら会議室を後にした。


だが心の中には何だか苦い気持ちが、もやもやと漂っていた。
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