ランデヴー II
「実は……俺、坂下さんに謝らないといけないことがあって……」


「謝る?」


全く心当たりのない私は、オウム返しをしてただひたすら倉橋君を注視する。


彼はその憂うような瞳を伏せ、長机の上で両手を組み合わせたままだ。



「今村さんって、少し坂下さんに雰囲気似ましたよね……」


話の内容をすっ飛ばしたような彼の言葉に、私は一瞬息を呑んだ。



そして倉橋君がそれに気付いていたことを知り、何だか嫌な気持ちになる。


だってそれはつまり、紗英ちゃんがそれ程までに私に似ているということになる。


改めてその事実を指摘されたような気分だった。



「だったら、何?」


私は眉根をキュッと寄せて難しそうな顔をしたままの倉橋君から、ぎこちなく視線を逸らした。


そんなに真剣な顔して、一体何を言い出すのだろう。


心がざわざわと不安に揺れる。



仕事の話じゃないのなら……そんな話なら、早く終わらせて戻りたい……。


この距離でこの空気……私は息が詰まりそうだった。
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