ランデヴー II
仕事にも時々身が入っていないことがちらほらあるし、自ら志願した担当も頑張ると言った割にそんなに積極的に取り組んでいるようには見えなかった。


それが実は倉橋君目当てだったことがわかった今、当然の流れなのかもしれないが。



これは本当に1度きちんと話をしなければならないのかなぁ、と憂鬱になる。


それ以外にも、憂鬱の種はそこかしこにばらまかれている。


とにかく紗英ちゃんという存在自体が、私にとっては憂鬱そのものだ。



特に最近は毎日のように倉橋君の話をされ、私は内心かなり参っていた。


自分の気持ちを自覚したからといって今までと何かが変わるはずもなく、私は日々をいつも通りに消化していくだけだ。


昼間は仕事をし、夜は誘われれば飲みに行き、賢治と2人で食事をすることもある。


私がただ自分の気持ちを押し殺しているだけで、何ら変わりのない日常のはずだ。



だがそれに水を差すように、紗英ちゃんは倉橋君との電話の内容などを詳細に話してきた。


あの日私に打ち明けたことでたがが外れたのか、仕事中にも関わらずとにかく倉橋君の話をしたがるのだ。



彼に関する質問も多く、確かに私は彼と同じ職場だったが、そんなに詳しく知っている訳ではない。


結局はほとんど「知らない」や「わからない」と返すも、彼女はそれでも何だか楽しそうだった。
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