ランデヴー II
「坂下、今日飯行かね?」
仕事が終わり帰る準備をしていると、背後からモリケンに突然声をかけられた。
見ると既にコートを着込み、もう出るところのようだ。
「あー、うん、いいよ。ちょっと待って」
私ももう帰ろうとしていた所だし、特に用事もない。
今村さんは帰るのが意外と早く、今日も既に退社していた。
「お先に失礼します」と声をかけて、出口へと向かう。
フロアを出ると、モリケンはエレベーターホールの窓から外を眺めながら私を待っていた。
「お待たせ。今日みっちーは?」
「いや、誘ってない。たまには2人でもいいだろ」
「そ? 別にいいけど」
何か話があるのかな、と一瞬考えたが2人で飲むのも珍しいことではないので特に深くは考えず、一緒にエレベーターに乗り込んだ。