ランデヴー II
「あぁ。何もできねーけど……話聞くくらいはできるからさ」


「うん。有り難う」


私は賢治の体に回した手に力を込め、しがみつくようにして胸に顔を埋めた。



駄目だ……私は倉橋君のことを好きでいてはいけない。


彼を想い続けること、それだけで既に罪なのだ。



このまま賢治の傍にいたいのなら、倉橋君のことは忘れよう。


いや……忘れたい。


心の中で強くそう思った。



「あのさ、ゆかり」


そんなグラグラな気持ちでいる私の頭を撫でながら、賢治が口を開いた。


返事の代わりに顔を上げると、視界が賢治で埋め尽くされる。


今にも触れそうな距離で見つめ合うと、彼が吐息交じりに言葉を紡ぐ。



「俺ら、一緒に住まねぇ?」


「……え?」


突然の言葉に、私は驚き目を見開いた。
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