ランデヴー II





「ゆかり、誕生日おめでとう」


賢治の言葉に「有り難う」と微笑みながら、私達はグラスを小さく合わせた。



3月15日は、私の誕生日だ。


賢治は週末にお祝いをと言って、ディナーの予約をしてくれていた。


そこは最近できたファッションビルの上階に入っていて、有名フレンチシェフの国内3つ目の店舗だそうだ。


誕生日をこんな風に特別なものとして祝ってくれる賢治の気持ちが、とても嬉しかった。



プレゼントは何がいいかと問われしばらく答えを出せずにいた私は、考えた末に今日この前の返事を告げようと思っていた。


一緒に住もう、と。


結婚についても前向きに考えたい、と。



あれから何度も悩み、迷った私が出した結論は、賢治と共に歩いて行くことだった。
< 220 / 408 >

この作品をシェア

pagetop