ランデヴー II
手にした紙パックのジュースをズルズルと飲み干し、小さく溜息を吐く。



あんなにもうろたえた倉橋君を見たのは初めてのことだった。


いつもはちょっと生意気で、でも堂々としているのに。


さっきの倉橋君は隙だらけだ。


それだけショックだったのだと思うと、やり切れない気持ちになる。



お祖母ちゃんは大丈夫なのだろうか。


一体何故倒れたの?


そんな疑問ばかりが頭をぐるぐると周り、そわそわと落ち着かないことに疲れてきた私は、やはり帰ろうと思い立ち上がった。


ここにいても、私に何かができる訳ではない。



そうして扉のない前方入り口に目を向けた時、そこからふらっと倉橋君の姿が見えた。


彼は私の存在を認めると、少し険しい顔を緩めて静かに近付いて来る。



「坂下さん、すみませんでした。こんな所まで……」


目の前に立った彼は、そう言って瞳を伏せた。


疲れた様子ではあるが、さっきよりは生気を取り戻したように見える。
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