ランデヴー II
「脳梗塞……だそうです」
駅までの静かな道のりを無言で2人歩いていると、何も聞けずにいた私に倉橋君が突然ポツリと呟くようにして言った。
脳梗塞……私にもわかる程に有名な言葉だ。
要するに、脳の血管が詰まってしまう病気。
「元々高血圧な上に不整脈の気もあって……それでも元気だと思ってたのに……」
「……そうなんだ」
こんな時なのに、かける言葉が何も見つからない。
何かを言おうと口を開きかけ、そして閉じる。
その動作を、何度か繰り返した。
「大丈夫だよ」なんて軽々しく言えるはずもないし、「元気出して」だなんてもっと空々しい気がした。
そっと寄り添って元気づけてあげられたらいいのに、それすらもできない私は何て無力なんだろう。