ランデヴー II
きっと彼は今、誰か別の人と過ごしているに違いない。


彼のことを心から慰めてくれ、励ましてくれる人と一緒に……。



そんな風に勝手に結論付け、会社を出た時だった。


ブルブルと小さい振動を感じ、私は慌ててカバンを漁った。


さっき放り込んだばかりのはずなのに手は別の物ばかりにぶつかり、焦っているせいか見つからない。



しばらくゴソゴソして見付けた光るそれには、倉橋君の名前が表示されていた。


私は道の脇に小走りで避けると、画面をスライドさせて「倉橋君?」と名前を呼ぶ。


不安と期待が入り交じり逸る胸を、ギュッと押さえた。


折り返してくれたことへの喜びに、心がじわじわと弾みつつあるのは確かだった。



だが携帯からはガヤガヤとうるさい音が耳に入ってくるだけで、倉橋君の声は聞こえてこない。


外……なのだろうか。


ということは、やはり誰かと一緒だったのかもしれない。


そんな予感に、上向いていた心が一気に複雑なものへと変わっていく。
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