ランデヴー II
『寂しい、です……』


「倉橋君……」


昼間彼が言いたかったのは、泣き言だったのかもしれない。


重い重い鉛のような何かを、私に吐き出したかったのかもしれない。


何となくそう感じると同時に、胸が痛い程にギュッと鳴る。



彼の言葉はその後ますます意味不明になり、私は何とか今いる場所を聞き出してそこに行くことにした。



電話してみて、良かった……。


心底そう思う。


こんなに酔うまで飲み続けるなんて……いつもの倉橋君からは到底考えられない。



私はくるりと向きを変え、足早に駅に向かう人達の間をすり抜けるようにして倉橋君の元へと向かった。


気付けばその足は、早く早くと焦る気持ちに呼応するかのように、走り出していた。
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