ランデヴー II
だがキッチンから漏れるぼんやりとした明かりの下で改めて自分を省みると、今度は私の方が少し恥ずかしい。


良く良く考えたらすっぴんだし、スウェット姿だし、考えるだけで頬が熱くなるような格好だ。



2年前はこんな姿を倉橋君に晒しても、ここまでの羞恥は感じなかった気がする。


今更恥ずかしがった所で、時既に遅しなのだが。



ソファーに寄りかかって目を閉じる倉橋君は、まだ辛そうに見えた。



「もう少し、寝る?」


思わずそう尋ねると、やや間を開けてふるふると小さくその顔が振られる。



「いえ……」


「何か、食べる?」


「……いえ、大丈夫です」


「そう……」


私達の間には、子供が1人座れるくらいの隙間があった。


それが、今の私達の心の距離なのかもしれない。


もう縮まることのないその空間を思うと、少し寂しく感じた。
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