ランデヴー II
「祖母のことで言い合いになって……」


「お祖母ちゃん……? ご家族と?」


「はい」


倉橋君は軽く頷くと不意に目を開き、体を起こして膝に肘を突いた。


プチプチと、ペットボトルのラベルをいじる音が聞こえる。



「延命するか、しないか……そんな感じで」


その言葉に、私は驚き目を見開いた。



確かに倒れたと聞き、病状の心配はしていた。


だが、事態がそこまで厳しい状態だとは想像していなかった。


いや……それよりも私は倉橋君のことが気がかりだったから、そんなに深い所までは考えていなかったというのが正直な所だ。



「確かに、もしも本当にいよいよ……という時が来たら……。その時は延命しない方が、祖母の為にはいいのかもしれない」


ゆっくりと噛み締めるように話す倉橋君を、私はじっと見つめる。



「でも……今はまだ、意識があるんです。傍に行くと俺に微笑みかけたりする。手を握ると、弱い力でそれでも握り返してくれる。言葉はなくても、半身は不随でも……それでも、生きてる……っ」


まるで全ての感情を言葉に乗せているかのようだった。
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