ランデヴー II
だが、日本は違う。


延命が広く認知されているし、それを由とする人達もたくさんいる。



私はたまらず腰を浮かせ、2人の間にあった距離を自ら破った。


身を寄せて座るとそこにあった空間が一気になくなり、倉橋君の体温をすぐ傍に感じる。


そして私は倉橋君の体に両手を回し、ギュッと……抱き締めた。



だって、倉橋君が泣いてる。


いつも逆に泣いている私を励まし慰めてくれていたのに……そんな彼が泣いているのだ。


腕に力を込めてその肩に顔を埋めると、彼のそこからフッと力が抜けるのがわかった。



「俺、間違ってますか……?」


「うぅん、間違ってない。倉橋君は間違ってなんて、ないよ」


私はそう言って、柔らかい髪に手を伸ばす。


手を埋めて優しく撫でると、倉橋君の体がより一層震えた。



私の目からは、自然と涙がこぼれていた。


苦しく切ない気持ちと、彼の抱える悲しみと痛みと。


色んな思いを感じ、色んな傷を含んだそれは、とても複雑な涙だった。
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