ランデヴー II
私はふらりと体を起こして部屋に戻ると、携帯を手にした。


そして、無我夢中で画面をタップする。



相手が出るまでの間、私は声を上げて泣いていた。


子供が駄々をこねるように、顔を歪めてだらしなく。



『もしも……、え、ゆかり? 泣いてるの?』


少しだけ懐かしく、そしていつもの変わらない彼女の声が、私を安心させる。


と同時に気持ちが高ぶり声も詰まってしまい、上手く話せなくなってしまった。



「さわっ……佐和子……、どうしよう……」


『ゆかり? どうしたの? 大丈夫?』


「わ、私……っ、好きなの……。倉橋君のことが、好きなのっ」


こんなに朝っぱらから鳴らす電話にちゃんと出てくれたことが、そして私を心配してくれることが有り難くて、更に心が乱される。



ただひたすらに涙が止まらない私は、しばらく電話口で泣き続けていた……。
< 311 / 408 >

この作品をシェア

pagetop