ランデヴー II
気持ちはわかるが、これが私の恋愛の仕方なのだ。


そう簡単には変えられないし、佐和子の言うことは私にとっては理想論にすら聞こえる。


でも……もしもその理想を現実にできるとしたら……。



『ねぇゆかり、どうして自分の恋愛はこうだって型にはめようとするの? どうして目の前にある大切なものを掴もうとしないの? 本当はもっと自分のことだけを考えて……枠に捕らわれずに生きていいんだよ?』


佐和子の言葉が、私の心をぐらぐらと揺さぶる。


いいのかな……私……。



『さっき言ってたじゃん、倉橋君のことが好きだって。どうしようって。それって私に言う台詞じゃないでしょう? 言わなきゃいけない相手は他にいるでしょう?』


倉橋君に気持ちを伝えても……いいの……?


賢治を傷付けてでも……。



『私はゆかり自身が幸せになれる道を選んで欲しい。ゆかりが望むように生きて欲しい。それは決して悪いことではないし、人は自分だけの幸せだけを求めてもいいんだよ? 後のことは後から考えればいいじゃない』


佐和子が再度、私の背中を押した。


だんだんとぐらつく心が固まっていくのを感じる。
< 317 / 408 >

この作品をシェア

pagetop