ランデヴー II
『今掴まないと後悔すること、あるんじゃないの?』


後悔……。


そんなの、嫌って程にしてきた。



でも倉橋君が私にぶつけてくれた想い……今それを掴まないと、きっと一生物の後悔になるとわかってる。



『まぁ後は自分で考えなよ。私忙しいから切るわ。またね』


「え、あ、佐和子……! 有り難うっ」


最後の言葉が届いたか届いていないかわからないうちに、突然電話はプツリと切れた。


反応しなくなった携帯をぼんやりと眺めながら、佐和子らしい切り方に笑みが漏れる。


きっと本当に朝の忙しい時間なんだろうなぁと思うと、申し訳なさと同時に感謝の気持ちが込み上げた。



佐和子がくれた言葉を、叱咤激励を、ギュッと噛み締める。


そして今心から思うことは、私はやっぱり倉橋君が好きだということ。


その想いだけは、揺るぎなく心の中にある。



もしも許されるのなら……今度こそ彼の手をとりたい。


彼に気持ちを伝えたい。
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