ランデヴー II
それはきっと、これから起こることが怖くてたまらないからだ。


少し麻痺したような脳内は、正常に物事を捉えてくれない。


周りの景色すら冷静に見られない程に、私は激しい緊張と不安の中にいた。



さっき賢治と、短いメールのやり取りをしたばかりだ。


賢治から来たのは、出張から戻ったという内容と明日についてのメール。


土曜日である明日は、本来ならば2人で仕事のことは忘れてのんびりと過ごす日。



でももう私は、賢治と2人で会うつもりはなかった。


これ以上罪を重ねてしまう前に。


自分に……賢治に嘘を吐く前に、終わりにしなければならない。



身勝手で一方的な別れ。


それを、伝える。


私の口から直接、話す。


その現実は、逃げ出したくなる程に辛い。



賢治からのメールに私が返した答えは、「話があるから、今から会いたい」という一言だった。
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