ランデヴー II
全身の血の気が引き、鼓動だけがドクドクと鼓膜に響く。


ふらりとよろめいた体は、扉に体重をかけることで辛うじて止まった。



そこには、1組の抱き合う男女がいた。


それだけなら構わない。


会社で何をしてるんだと非難の対象にはなるが、そこまで驚くことではない。



だが……私はその光景を見て心が粉々に砕け散る程の衝撃を受けた。


女の人の頭を撫でているように見えたその人は――倉橋君だったのだ。



私が入ってきたことに驚いた2人は弾かれるように離れ、同時にこちらに顔を向けた。


そして、気付いた。


その女性が、北野さんだということに。



クリスマスの夜に倉橋君と肩を並べて歩いていた、あの日の記憶が蘇る。


……そして、その後倉橋君と言葉を交わしていたのも、この階段ではなかったか。



やっぱり……この2人はそういう関係なんだ……。
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