ランデヴー II
私はまとまらない頭で何とか残務処理を終わらせ、沈んだ気持ちで会社を出ることにした。


頭の中は色んな思いが混沌とし、心には重い鉛がつっかえて今にも涙が溢れそうだ。



でも、こんな所で泣く訳にはいかない。


失恋……それは何度味わっても、慣れることなんて一生ない。


辛く悲しく、私が持っていたものが全てなくなってしまったような喪失感さえ感じる。



エレベーターに乗ると、体にかかる重力と共に一気に涙が込み上げてきた。


今の私の視界には、地面しか映らない。



あと少し……あと少しで会社を出ることができる。


そうしたら、泣いていいから。


こっそりと涙を流してもいいから。


そう自分に言い聞かせながら、出口へと向かった。



自動ドアまで、あと少し……。


下を向きながら足早に歩いていた、その時。


突然片腕を強い力で捕まれた。
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