ランデヴー II
確かに紗英ちゃんにとっての「友達の定義」は私のそれとはズレを感じることがあったし、突然親友と言われて驚いたこともあった。


全ては紗英ちゃんのこれまでの友人関係に起因していることだと思えば、説明がつく。



「今まで同期の子達とはずっと距離があったんだけど、最近一緒にご飯食べに行くようになったの。資産管理の件で総務の同期とやりとりするうちに仲良くなって、どんどん輪が広がって……私、最近ものすごく楽しいんだ」


暗い表情から一転して生き生きと輝いた笑みで話をする紗英ちゃんは、本当に楽しそうだ。


それを見ると、私もつられて笑顔になる。


そんな素敵な魅力を、今の紗英ちゃんは持ってる。



「それもこれもゆかりちゃんと出会って、色んなことがあったからだと思うの。恋愛は上手くいかなかったけど、倉橋君を好きになったこと後悔なんてしてないんだ。今も彼のことはステキだって思ってるしね?」


茶目っ気たっぷりにそう言われ、私はクスリと笑った。



紗英ちゃんと今日一緒に食事ができて良かった。


何だか紗英ちゃんとの関係が修復されたような気がして、私は嬉しかった。



今の彼女とならきっと良い関係が築けるような気がする。


楽しそうに同期の話をする紗英ちゃんを見ながら、私はやっと本当の紗英ちゃんに出会えたような、そんな気がしていた。
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