俺と馬鹿と新婚生活?!
日が落ちる薄暗い町を携帯を耳に当てて歩く
「綾、学校の正門を出てどっちに曲がったの?」
電話の相手は先ほどの方向音痴少女
『んーっと…右』
出だしから間違ってやがる…
「正門出たら左だよ、馬鹿!!」
『お…怒んないでよー…右だと思ったんだもん…颯太、怖いー…ウッ…うぅー』
受話器から聞こえる涙声
「泣くな!」
『泣いてないもん』
泣きながらそんなこと言って信じるわけないだろ
「いいか、そこから動くな!一歩もだぞ!わかったな!!」
『わかってるもん!何回も言わなーー…っあ、きゃぁあ!!』
ブチッ
「え?!綾?!」
明らか不自然な切れ方
そして、最後に聞こえたのは綾の悲鳴…
嫌な予感がする
俺は急いで海まで走った