彼はくせっ毛君
………。

「なっ…!何でお前がここに!?」


………うそ。


「アイス買いにきただけ。何してんの変態原田。」


………ドクン…

…ドクン……


うそぉ………


「ちっ!覚えてろ!」


タタタタ…



「大丈夫?」


うそでしょ……

少し着崩してあるシャツ

不器用に締めてあるネクタイ。

ふんわりした髪の毛。


…く、くせっ毛…くん…だぁ…



ぐすっ…

「その制服中坂高じゃん。大丈夫?あいつに何かされた?」


私は首をぶんぶん横にふった。

「女の子泣かすとか最低だよな。」


違うよくせっ毛君…
私………こんな事くらいじゃ泣かないよ…。


私、
あなたに会えたから泣いてるんだよ……。

半年間、どう頑張っても会えなかったのに。

見ているだけでいいって思ってたのに。


窓の向こうの存在だったのに。

しかも助けてくれるなんて…夢みたい…

半年間見ているだけだったのに…。

半年間…会ったことないのに…。



やっと会えたよ…



くせっ毛君。



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