さくら色 〜好きです、先輩〜

球技大会当日。


「いよいよ待ちに待った球技大会です!優勝目指して頑張りましょう!」


朝のSHRで委員長は拳を挙げて意気込んでいた。


「相変わらず熱いね、委員長は」


そんなことを言いながらも、肩まで伸びた髪をしっかりと纏め気合十分な那奈。


「そうだね。でも、今日は私も委員長に乗っかって熱く!頑張るよ!」

「うん!頑張ろう!先輩の為にも優勝しないとね」


昨日、里美と那奈に二人で出掛けた日の事とこの前の広場での事を話した。

そして今日の球技大会で私が賭けにでる事も…


あれから先輩とは会えていない。

本当は昨日言いたい事があったんだけど、部活後に部会があって広場に行けなかった。

だから試合が始まる前に先輩に会えればいいんだけど…



開会式が終わり球技大会が幕を開けた。

うちのクラスのサッカーの試合は二試合目。

それまでにどうしても先輩に会いたい、だけど。


「先輩いないね」

「うん…」


開会式の時はちらっと姿を見たけど、式が終わってすぐにいなくなっていた。

今も辺りを見渡したけど、何処にも見当たらないし…


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