さくら色 〜好きです、先輩〜

「全く衰えていないって恭介が言ってた。むしろ前以上に上手くなってるって。あいつ、そんな先輩見て感化されたのか練習しに行っちゃったよ」

「ふふふ。恭介は負けず嫌いだからね。そこが恭介のいいところでもあるんだよね」


今必死に練習してるであろう恭介の姿を微笑ましく思っていると。


ーーーーー・・・ドンッ! ピピーッ!


「え!?何?」


試合から目を離した瞬間、人が激しくぶつかって倒れるような衝撃音が校庭に響いた。

一斉にざわめきが起こる。

校庭では、双方の選手が二人倒れていてその周りに人が集まっていた。

ここからだと周りに集まった人達の影に隠れて、誰が倒れたのか全く見えない。


だけど…

妙な胸騒ぎがする…

心臓がドクドクと鈍い音を立てる。


「誰が倒れてるの!?」


那奈が近くにいた生徒に問い掛けた。


「桜井と松田だよ」


ドクンッ…


先輩…



< 191 / 499 >

この作品をシェア

pagetop