さくら色 〜好きです、先輩〜
「全く衰えていないって恭介が言ってた。むしろ前以上に上手くなってるって。あいつ、そんな先輩見て感化されたのか練習しに行っちゃったよ」
「ふふふ。恭介は負けず嫌いだからね。そこが恭介のいいところでもあるんだよね」
今必死に練習してるであろう恭介の姿を微笑ましく思っていると。
ーーーーー・・・ドンッ! ピピーッ!
「え!?何?」
試合から目を離した瞬間、人が激しくぶつかって倒れるような衝撃音が校庭に響いた。
一斉にざわめきが起こる。
校庭では、双方の選手が二人倒れていてその周りに人が集まっていた。
ここからだと周りに集まった人達の影に隠れて、誰が倒れたのか全く見えない。
だけど…
妙な胸騒ぎがする…
心臓がドクドクと鈍い音を立てる。
「誰が倒れてるの!?」
那奈が近くにいた生徒に問い掛けた。
「桜井と松田だよ」
ドクンッ…
先輩…