さくら色 〜好きです、先輩〜

「桜井君も凄かったでしょ?葵ちゃんのおかげかな?」

「私は何も」

「ふふ。そうかな?私は葵ちゃんの存在は大きいと思うけどな」

「え?」


周りにいる生徒の声で若菜先輩が何を言ったのかよく聞こえなかった。


「ううん、こっちの話。おーい!桜井君、葵ちゃん来てるよー」


若菜先輩は手を挙げながら大きな声で先輩を呼び「頑張ってね!」とウィンクをして小野田先輩の元へ走って行った。



「西原さん」

「先輩!お疲れ様でした。さっきの試合、ホント凄かったです!先輩の最後のゴールなんて感動して泣いちゃいそうでした!!」


私は興奮のあまり声が大きくなって、更に早口で一息に言った。

先輩は呆気に取られた様子で目を大きく見開いている。


「ぷっ!ははは!!」

「せ、先輩?」


あれ…?

確かこのパターン、前もあったような…



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