さくら色 〜好きです、先輩〜
「ホントいつもいつも元気だよな!」
「すみません!つい、興奮しちゃって…」
「いいんじゃない?いつも元気なことは。俺も元気になれる」
先輩は私の頭に片手を乗せてグラグラと揺らした。
「きゃー!もうやめてくださいよ〜!」
私と先輩は声を上げて笑い合った。
先輩が手を離した後、髪の毛がぐちゃぐちゃになっていたけど先輩の手の感触と温もりが残ってて幸せだった。
今日髪を洗うのが勿体無いって本気で思ってしまうぐらい、私は先輩に溺れてる。
「そうだ!先輩、足大丈夫ですか?」
「ん?ああ、問題ないよ」
「ホントですか?無理してませんか?」
私は倒れた後に見せた痛みで歪んだ顔を忘れられなかった。
あの後、試合で全速力で走っていたけど本当に何ともなかったのかな…
「大丈夫だって。次の決勝もフルで出場するから、そんな心配すんなって」
先輩はそう言いながら私の額に優しくデコピンをした。
そしてふわっと柔らかく微笑みながら「ありがとな」って言った。
最近の私はどこかおかしい。
先輩のこの笑顔を見ると嬉しいはずなのに、胸がキューって苦しくなって泣きそうになるんだ。