さくら色 〜好きです、先輩〜
「君はサッカー部の子かね?それとも…」
先生は私をジッと見据えてくる。
「幼馴染です」
「…じゃあ清水君を無理矢理にでも検査に連れて行ってほしい」
「検査って…やっぱり…」
「骨折しているかもしれん。だが、彼は今は試合が終わるまで行かないと言い張ってな…」
恭介は私と先生から気まずそうに顔を逸らした。
「「「ワァー!!」」」
その時、会場から物凄い歓声が聞こえた。
私と恭介はその歓声に耳を傾けた。
「…どっちがゴール決めたのかな」
「葵!悪いけど肩貸してくれ!試合観にいく」
「え?でも、病院に行かないと!」
私は氷水の入った袋を退かし、立ち上がろうとした恭介の肩を抑えた。
「葵。頼む…必ず試合が終わったら行くから」
恭介は皆が心配なんだと言った。
下手するとあと数人は怪我人が出るかもしれないって…
「こんな時に、一人で抜けて病院で検査なんて受けてらんねぇよ」
恭介のその言葉と表情からは悲痛の叫びが伝わってくる。