さくら色 〜好きです、先輩〜
その時、高らかな笛の音が会場に鳴り響いた。
それと同時に沸き起こる大歓声。
恭介が後半のロスタイムでこぼれ球を見事にゴールに叩き込んで決勝点を決めた。
ーーーーーピッピッピッピー!!
「試合終了!」
グラウンドでガッツポーズを決める恭介。
恭介に駆け寄るチームメイト。
選手達は試合後、応援席の前で整列して全校生徒に向かって拳を上げている。
大太鼓は更に激しく空気を振動させ、応援席は見事なウェーブで選手を讃えた。
明日はいよいよ先輩の夢だった国立の決勝戦。
相手はこの後に行われたもう一つの準決勝の勝者である夏樹さんのいる学校に決まった。