さくら色 〜好きです、先輩〜
準決勝の帰り道、恭介と今日の試合の話で盛り上がっていた。
「まさかここまでこれるなんて思ってもみなかった。桜井先輩が入ってうちのチームは本当に強くなったと思う。二年もブランクがあんのに…本当すげぇよ。敵わねぇ…」
「私もそう思う…だけど、恭介も先輩達の中であんな活躍して凄いよ!今日の決勝点なんて皆褒めてたし!」
恭介もこの一年本当に頑張ってきた。
今は皆仲がいいけど、入部当初は一年ですぐレギュラーに選ばれて妬みとかあったみたい。
もちろん本人は何も言わないけど…
先輩からも同い年からも陰口を言われたりしてたって若菜先輩から聞いた。
それでも自分を信じて練習に励んだ恭介
は立派だと思う。
次第に周りも恭介の努力を認めて和解して今の最高の仲間達がいる。
「俺も早く先輩に追い付きてぇな!」
恭介ならきっと素晴らしい選手になれるよ。
チームを引っ張る要の選手に…
本人にはすぐ調子乗るから言わないけどね。
「俺、少し広場で練習して行くわ。このまま帰ってもなんか落ち着かねぇし」
「なら私も行くよ」
私達はその足で運動公園に向かった。