時は今



「──何?僕の話?…あれ、忍」

 声がして、四季が忍の後から顔をのぞかせた。

「…四季。大丈夫?」

 忍たちの不安げな表情が何なのかを四季はすぐに察する。

「ああ、検診?異常はないって」

 忍にめずらしく温かい笑顔が浮かんだ。

「そう。良かった」

「ちょっと何?教室に来るなり忍の笑顔って。喜んでいい?」

 黒木恭介が嫌な顔になる。

「何だ。心配して損した。てか、お前やっぱ男の敵だわ!」

「ふーん…。黒木くん心配してくれたんだ」

「……っ。馬っ鹿じゃねぇの!!するわけねーし!!」

「そう。ありがとう。僕も黒木くん大好きだよ」

「ぎゃー何か変な音楽聴こえる気持ちわりぃぃいいぃぃ!!」

「ひどい。勝手に心配してこんな言い方するなんて、ツンデレにもほどがあるよね」

 あははは、と周囲で笑い声が起こった。

 由貴の前の席にすとんとかけて、身を落ち着けた。由貴が「良かったね」と言葉をかけてくる。

 その安心した表情を見ていると、自分も心が穏やかになるから不思議だ。

「うん」



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