時は今
「四季が不安な時は私を呼んで」
「……」
不安。
不安?
──何が不安なのか、四季にはうまく言えなかった。
今の忍の表情を見る限り忍が自分のことを想っていてくれるのは確かだろう。
でも。
「僕ばかり好きでいるように感じてた」
忍に自分と同じような思いが募ってしまう感情の波は見えなかった。
とても、穏やかで。
「一緒にいよう」
「……」
「私、こんなふうに想えるのってたぶん四季が初めてだから、どう言葉にしたら伝わるのか、わからない」
「──。好きって言って」
何を考えるのでもなく、感情が言葉になってあふれていく。
好きで、抱えきれなくなって、もう何処にも。
忍には四季の言葉がそうなってしまう気持ちがわかる気がした。
「──好き」
花びらが風にのるように言葉にする。
好きな人からの「好き」に、こんなにも心がいっぱいになってしまうのは、なぜだろう。
一度言葉にするとあとからあとから言葉があふれて止まらなくなった。
「──もっと言って」
「…好き」
忍は壊れていた時の自分が癒されていく感覚に包まれていた。
あの時とめどなくこぼれていった「好き」は、何処に行ったのだろう。
四季を傷つけて、自分も傷ついて──好きで、好きでどうしようもなくて。
「好き」
今言葉にしている想いは自分を優しくさせた。四季が望むなら望むだけ言いたかった。
「四季のことが大好き」