時は今
『──由貴、キレてて』
その後、忍の中では四季のその言葉と涙とが幾度となくめぐっていた。
四季が白血病で倒れた時のことは忍にはわからない。
(いちばん由貴に聞いた方がいいのか──だけど)
四季が不安になるようなことはしたくはなかった。
「──あ…」
そこで忍は由貴以外にそのことについてよく知っていそうな人物がいることに気がついた。綾川隆史。由貴の父親である。
由貴の父親なら、その時の四季のことも由貴のことも把握しているかもしれない。
先生となら話していても四季が不安になる要素は皆無である。
「…綾川先生に聞いてみよう」